#9 差別化・個別化
幾数多ある介護保険の施設の中、いくら高齢の方が多くなっているとはいえ、
働き手は足りているワケではなく。
箱がいくら出来たところで、牌の取り合いになっているだけで。
それは別段2025年前の段階からの話で、後期高齢者のピークが終えてから倒産するのではなく、もう十二分に年々倒産件数過去最多とデータでもよく出ております。
一口に通所介護といっても選ばれる為の差別化を図らない限り、淘汰される時期が必ず来ます。コロナでの風評被害はギリギリ今までの信頼と実績で乗り切れるかもしれませんが、人員欠如からくる運営困難問題は常に何処の施設も抱えています。
勿論介護業界だけではありません、銀行・コンビニ・美容室・整骨院・・様々な業種で起きている事。多すぎるものは必ず変遷を繰り返し数が一定数になります。
人手の少ない介護業界、これからは如何にスマートな作業を行い、ご利用者と向き合う時間を確保するか、良い人材と共に運営し、選ばれる施設になるかがキーになります。
そりゃ優しさや思いやりや協調性も大切です、だけどそれだけでは生き残れません。
働き手からすれば、似たり寄ったりの給料の中(そりゃ収入源が介護保険から賄っているのですから加算を取るか、自費をしていかない事には頭打ちです)、ほんの少しでも人間関係が良い所に行きたい、ほんの少しでも自分の働きやすいメリットがない限り、人材が行ったり来たりするだけです。
介護保険を客寄せパンダにしておいて、自費の工夫を、
良い経営方針とそれを実践に移していき良い人材の確保をしていった上で、
周りと「違う」何かが無ければ潰れますよーとは一ペーペー従業員だから頭の中だけで考える事ですが(考えるのはあくまでも自由です)。
それでは例えばそれはどんな事かと尋ねられましたら、
私の勤め先機能訓練特化型を例に挙げましたら今は「運動をしたい」という気持ちがある方ならどなたでもご利用OKと受け入れをしておりますが、
①認知あり・なし混在するのですが、それはスタッフにとってはとてもサービスを提供しづらい
→認知のある方の中には、認知のある方を小馬鹿にしたり、悪口を言ったり、ああはなりたくないなという目で見てきてコミュニケーションを取ってくれない方もいます。
②ADLが重度・軽度が混じるのでADL高めの人は置き去りになり、介助が大変な人に時間を取られる
→想像に易いと思います
・・いろんな人が居るからそこからの交流も生まれ楽しいという事もありますが、
①認知ありADL高い方にはマット運動・キャッチボール・散歩等の機能訓練を絡め、見て一緒に出来る事を提供と買い物等、または畑作業等
②認知なしADL高め、認知なしの方にはマット運動・マシントレを中心にサービスを提供
③認知なし介助必要であるのであれば座位・立位運動と散歩等
介護度が重くなるのなら事業所に入ってくる介護報酬も大きくなるので、その分スタッフ人員を+しても赤が出ない
勿論そんな事をしたら人を区別するのか、差別するのか、と大変なお叱りを受けるのかもしれません。が、色分けをしない事にはスタッフも疲弊、利用者さんも満足度が上がらない気がしてなりません。
今は似たような地区に3事業所ありながらも、皆が混戦しているだけで、どんな方が来ても誰にでも優しいという普通の在り方でありますが、それでいいのかどうか・・一若輩者は常々心配なのであります。
措置から契約の時代になり、競争原理を働かせようとしたので他所とは違うことをやって表現しないといけない。・・とは私の慕う方が表現した言葉。仰る通りだと思います
「対人援助」は「効率化」という考え方と相性が悪いので、ペーパーワークをキンキンに叩いてチューニングをしないといけない。・・同上。なので、また次はそのペーパーワークでの工夫についてどんどん述べていきたいと思います(完全に自論ですが)。
今日の結論:
①これ(色分けしたサービス提供)を上司に話したところ「面白い、是非自分の事業所だけでやって!」と丸投げされたもの反対意見が多そうで実行には移せない。やるなら曜日を分けてやったらどう?と言われたけれど、そんな事したら、どう考えても方々からの不満が多くなりそうで此方のメンタルがやられてしまいそうで眠ったままの構想で断念。
②機能訓練特化型は少なくても運動という特色はあっても生存戦略は必要
※「食事」がすごいなと思った施設、2020年9月20日付日経新聞記載
社会福祉法人博悠会 Smailセンター フランセーズ悠よしだ
もちろんこういう施設は食事だけではなく、様々な工夫がなされているのではないか、と。実際に見学に行かないと判らないですが近くだったら見学に行きたいですね。
※「人材育成」「リクルート力」「スタッフのモチベーション」「経営」「情報発信力」優れた老健があります
一般社団法人愛友会 介護老人保健施設おおやけの里
一口にデイサービスといっても既に生存戦略は進んでいる所もあり、
此処は凄いな・・と思う施設もたくさんあります。
(が、介護保険の悔しい所、違う行政区だと全然情報が伝わってこないんですよね。
もっと情報発信をして自分の処だけで満足せず全国で切磋琢磨して頂きたいー)